ユトリロは,好きな画家(←割とecole de Parisやらドイツ表現主義とかが多い)の一人なんだけど,今回は,そんな「よく知られた」ユトリロのイメージとは,ちょっとずれた感じのものが多くて(というか,そちらがメイン?),なかなか新鮮。
どういうことかというと,
1) 書き始め→独学で模索中。印象派に似たのとか
2) パリ・モンマルトルに来て漆喰のマチエールに魅せられた絵を量産(第1次世界大戦前後)
3) かーちゃんの奴隷になってアル中絵描きマシーンとなり,一般受けする,色彩にあふれた絵を描く
4) 妻の奴隷になってアル中絵描きマシーンとなり,筆致がワイルドになってくる
というユトリロの歴史のうち,僕らが普通に抱く彼のイメージは,2)の時代であるのに対して,この展覧会では,3)4)が多い。
あと思ったのが,割と色彩感に乏しいユトリロの絵の中でも――2)の時代であっても――,赤(朱色に近い)がアクセントとして効果的に使われてるなー,ってこと。何でだろうねぇ。