最近のニュースで,うーむとしばしば思ってしまうのが,
春闘で賃上げ→消費拡大→経済成長
というロジック(例えばこれ)。
とりあえずマクロ経済学(UofC Econにマクロ経済学は存在しないけど...)上のこのロジックの流れはともかくとして,問題はこの「賃上げ」の部分。
いやだって,ある企業が賃上げして消費拡大しようとしても,その効果は他の企業全て(それ以前に恩恵を受ける企業が偏るかも)に及ぶわけで,そうすると,典型的なフリーライドの状況じゃない?と思うわけです(もうちょっと言うと,賃上げ企業からそうしない企業への利益移転が発生する)。
上に引用した記事の中では,
御手洗氏は経済団体トップの自らが発言することで、賃上げ機運を盛り上げたいという思惑があったとみられる。
となってるわけで,こういうのをnorm entrepreneurというのかなぁと気がしないでもないけれど,でもそういう呼びかけだけで,どれほどの効果があるんだろう?(ちーぷとーく松井じゃん)というところはよく分からない。
それとも,春闘という統一的労使交渉スキーム自体が,フリーライドを減少させて一定レベルのconformityを実現するような何らかのインセンティヴ構造を内在させているんだろーか?