ちょっと前に公表した(最初にワークショップなんかで報告したのは結構前なんだけどorz)「消費者法を作る人々」の中(最後の方)で,
法学者(研究者)って,availability heuristicsにさらされてるから,母集団のdistributionに関する不正確な推定をしちゃう危険性があるよね
って書いたけれど,最近,これを実感する事態に遭遇。
日本GEから,企業法務について出張講義(みたいなの)を提供したいけれど,受け入れてくれますか?という問い合わせが来たので,「それは素敵な申出だから受けていいんじゃん」って思って同僚に転送したところ,一部の同僚から
日本GEは,消費者金融のレイクを持っていて,過払い金返還訴訟なんかの悪いイメージがあるから,それはあまりよろしくない
という意見ががが。
そのバイアス加減におぉーと感心してしまった。
おそらく,一般人(特にビジネスマン,あるいは,就活生も?)に,「(日本)GEってどんな会社?」って聞いたら,
- アメリカの巨大電機メーカー- 火力発電所のタービンとか原発とか,エネルギー(重電)系の会社
といった辺りの回答が返ってきそうだ。
でまぁ,電機メーカーであれば,手持ちの現金のない消費者に対してファイナンスをつけつつ販売するために,金融子会社を持つのはよくあることで,その部門があるのは全く不思議ではないのだけれど,イメージ的には傍流だ。それを正面のイメージに持ってくるところが,何だかすごいバイアスだなぁ,と感じたわけ。そんなこと言い出したら,証券会社からの寄付講座で金商法を開講するなんて一切できないじゃないか!www
もちろん,弊社がクライアントとして想定している層が,そういうバイアスのかかりまくった層だというのであれば,そのバイアス層に対する弊社の受けをよくするという経営戦略も十分あり得る。
っていうことは,最終決断は,弊社のクライアントとしているのが,どういった人たちなのか,という点の判断にかかってくるわけなのだけど,その点の判断はいろいろとありそうだ(クライアントとして誰を設定するかという点と,そのクライアントをどう評価するかという点と)。