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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

mean or variance?

入試なんかで複数の科目の点数を合算するとき,「得点調整」をすることがあります。あのときに調整すべきなのは,平均なのか,それとも分散(=標準偏差)なのか?

これは,合算対象で違ってくるはず。

1) Aさんが英語・数学・物理,Bさんが英語・数学・化学(←価額が先に変換されたよ... orz)で,物理と化学の点数のばらつきが異なる場合

→物理と化学の,平均・分散の双方をあわせる必要あり

2) 受験生全員が英語・数学・物理を受けている場合で,英語のばらつき具合に比べて数学のばらつき具合が大きい場合

→英語の分散を大きく,数学の分散を小さくする調整が必要

です。ポイントは,2)のケースで,この場合,たとえ平均が科目間で大きく食い違っていても,平均をいじる必要は全くないんだ,というところ。結局,合否の境目を決めるのは,相対的な点の違いなので,全てを平行移動させる平均の調整は合否に影響を与えない。

このことから逆に言える面白いことは,実は「合否にもっとも影響を与える科目」というのは,「合算時の配点割合が最も高い科目」なのではなくて,「分散が最も大きい科目」なのだ,という点。例えば,英語の配点割合が40%,数学の配点割合が10%だとしても,英語の点数が比較的まとまっている(分散が小さい)のに対し,数学の点数のばらつきが大きければ(分散が大きい),数学の方が合否に与える影響は大きいのです。

このことが最も典型的に出ていたのが,(今はどうなってるか知らないけれど)東大文系の前期入試。僕が大学受験していた頃は,数学の配点が80点(4問)しかなかったけれど,平均点がだいたい20点位なので,数学が得意で「満点が確実に取れるぜ!」というタイプの人は,ここで60点のアドバンスが得られます。差の付きにくい他の科目(英国社)で60点を逆転するのは相当に難しいので,他でこけてもよゆーbで受かる。とゆーか僕がこのタイプでした。ぐふ。

というわけで本日の教訓:

配点割合はあんまり意味がなくて,大事なのは分散だ!

これ,ロースクール入試なんかにも当てはまるんぢゃないか...