hopping around

~ヘタレ研究者は今日も逝く~

uninvited

フランス法の「法と経済」っていう講義を覗きに来ませんか,っていうお誘いが来たけれど。

フランスの理論経済学者には,切れ切れの人たち(Tiroleとか今は亡きLaffontとか)がいるけれど(とはいえ,水町さんに言わせると,フランスの経済学はれぎゅらしおんだということになる),どうも法学はあまり切れ切れではないイメージがある。

論文とかテーズを読んでいても,何か言っていることが茫洋としていて,言いたいことがよく分からないことが多い。最悪なのは,判例評釈で,事案とかけ離れた畢竟独自の抽象論をいきなり展開されてあっさりと終わったりしていて,「判例評釈は,まずは事案の分析からだよ~」とたたき込まれてきた日本の法学者の頭からすると,「これって判例評釈なの?」っていう気がしてしまう。

でも,フランス好きな人(たとえば水野せんせ)に言わせると,その曖昧模糊とした中にいろいろな人類の叡智を詰め込んでいるところがいいのだ,とか,そういう抽象的な「判例評釈」でも,フランス人にその背景の議論を説明してもらった上で読み返してみるとなるほどと理解できる(ことがある),とか,いろいろあるらしい。

とはいえ,背景知識のない外国人にもわかりやすい議論を展開してくれるドイツ法(ただし,やたらと抽象的一般理論を構築したがるあの性向は止めて欲しい)とかアメリカ法に比べると,取っつきにくいことには変わりない(イギリス法も似た感じ)。

なので,そういうフランスの法学者が経済分析を取り込んでも,きっと埋没されて訳わかんなくなりそうだなーという予感がする。それに,分野的には,契約法・会社法・担保法って,割となじみやすい分野をセレクトしてる感じはするけれど,そもそも,プログラム名の「法と経済」からして,「経済学(or経済分析)」なのか「経済」なのか,あえてぼかしてるところが,怪しい感じが紛々と漂ってるなぁ。

うーむ。