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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

graduate education

「今日の益川先生」がなかなかに楽しい今月の私の履歴書

本日のお題は,大学院教育における修士・博士の一貫化だった。僕の知る限り,たいていの日本の法学政治学系大学院は,修士と博士とで区切りが付けられているわけだけど,別にそれが唯一の政策的オプションというわけではもちろんない。

たとえば,僕が見ていたUofC Econでは,graduate levelに入学してくる学生は,全員が博士(Ph.D)まで全部修了することを目指すことを前提に入院する。それで,1年目にcoreの授業があって,経済学の素養も数学の素養も大してなかった人たちがびしばししごかれて(by Becker, Murphy, Hansen, Heckman,...てぇラインナップがやはりUofCのすごいとこ),基礎(?)知識をみっちりたたき込まれる。その後で,ここで習ったことがきちんと身についたかどうかのテストがあって,そのテストに落ちたら,それでアウト(確か,翌年もう1回まで受験できたような記憶が)。これを乗り越えて初めて,Ph.D candidateというまともな人間として処遇される。ここまでが結構大変なので,このプロセスを乗り越えた同期の仲間は,「戦友」といった雰囲気を醸し出す。

で,ここからdissertation (Ph.D thesis)執筆に向けて走り出すわけだけど,途中でドロップアウトした人に,博士の学位は与えられないので,修士Masterの学位を与える,っていう仕組みだったような気がする。つまり,最初から修士だけで終わるつもりの人は入学できない。

「academic researcherを養成する」という目的を達成するためと考えれば,ある意味,合理的なシステムではある。でも,もちろん,世間には,academic researcherになるため以外に大学院でおべんきょーしたいという人もいるので,そういう人を取り込むことを目指すのであれば,このシステムは適してない。

ということは,大学によって目指す目的が違う以上,採用するシステムが異なっていてもいいような気がするんだけど。