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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

causation

今日の日経朝刊の経済教室にもあったけれど,メディアで言われる選挙の「勝った」「負けた」と,その理由というのが,今ひとつ理解できない。

エコノメ的に言う因果関係って,普通は,Rubinチックに言うわけで,たとえば,菅(+枝野?)さんに「責任がある」という主張をするためには,

y_t : 菅さんが選挙戦を主導した場合の帰結

y_c : 菅総理以外(たとえば鳩山(+小沢)さん?)が選挙戦を主導した場合の帰結

とを見て,y_t - y_cがマイナスであることが必要だ。もちろん,y_cはcounterfactualであって観察不可能なので,想像するしかないわけだけれど,鳩山首相が辞めずに続けていたらもっとひどいことになっていた可能性が高いんじゃないか,と言えるのであれば,y_t - y_cはプラスだ,っていうことになりそうだ。

それから,消費税増税を原因に帰すのも,半分は分かるんだけど,半分は分からない。世論調査の結果で言うと,増税には賛成・反対がほぼ半々(やや反対が多いくらい)で,拮抗していたような記憶がある(でも,増税OKっていう世論がそこまで増えるのはなかなか素晴らしい状況だ)。そうすると,仮に消費税が主要な争点となっていて,浮動票を賛成派・反対派で分け合ったとすると,1/2の賛成派を半分ずつ民主と自民で分け合うことになって,残り1/2の反対派がみんな(+その他)に流れることになるから,民主の得票は,まぁ「地力」だけになる。前回の衆院選みたいに,地力+「政権交代っていう風」で上積みされた状態から比較すれば低いわけだけれど,まぁ地力の部分はとれてるぜ,という評価も不可能ではない。

そうすると,勝ち負けをどう判断するのか,そしてその原因を何に帰するのかってのも,やっぱりbaselineをどこに設定するのか,ということで全然結論は違ってくることになりそうだ。追い風・無風・向かい風,のどれを出発点にするのか,で。そして僕には,どれを基準に「すべき」なのかは分からない。いや,政治家たちが自分に有利なように基準を設定「したがる」のはよく分かるんだけど。