昨日の医事法ゼミにて,treatment groupとcontrol groupのバランスをとるために,年齢調整をすることの是非が議論になったときのこと。
ワタクシのような因果推論系の人間だと,アンバランスなままだと適切なcounterfactualとの比較をしたことにならないから,調整を行ってバランスを回復するのは当然だよね,という思考になるんだけれども。
ゼミ生さんたちに,
調整後の数値と,調整前のraw valueのどっちが信頼できる?
と問いかけてみたら,
調整前のraw valueの方が,不自然な手を加えていないから信頼できる
との回答が少し出てきた。
もちろん,年齢調整の仕方はいろいろあって,変な方法でやったらダメなんだけれど,方法の妥当性については,コードとデータが公開されていれば他者が検証できる。ていうか,普通は,標準的な手法(ウェイトをかけるとかマッチングするとか)でやるはずだ。
もちろん,補正をすることによって,たとえばファンディングをしている人に有利な数字に変わる,といった場合は,疑いの目で見られることも不自然ではないのかもしれないけれど,そんな場合でも,争うべきは,「調整の方法が適切か?」であって,「調整をすべきか否か」ではない。