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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

Okinawa sweets

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の季節だけど,それはともかく。

まずは,2つの「新垣」の金楚餻:

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上が先日の日経に出ていた,空港なんかで売ってる(有)新垣菓子店で,下が「本家新垣菓子店」。入手しやすいものの方が,砂糖の粒子が大きいまま残っていて,口の中でほろほろと崩れる感じなのに対し,マイナーな方は,砂糖の粒子が細かくてさーっと溶ける感じ(とはいえ,和三盆の落雁などには遠く及ばない。小麦粉入れて焼いてるから)。どちらが好きになるかは人それぞれだろうけれど,マイナーな新垣の方がやや上品で,有名な新垣の方がややワイルドか。

いずれにしても,原材料が,砂糖+小麦粉+ラードなので,卵が入ってない点を除けば,フランスの田舎菓子のGalletes Bretonnesを彷彿とさせる。ガレットとの違いは,油脂がバターじゃなくてラードなのでさくさくと軽いのと,塩が入ってないところ。誰かが,「フランス菓子というのは,いかに小麦粉にバリエーションを持たせて食べさせるかに尽きる」って言ってたような記憶があるけれど,その意味では,小麦粉に油脂を混ぜて焼くことで,油脂分を飛ばし,ざっくり感を出すというメカニズムは同じだ。

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これは,同じくマイナーな新垣でげっつした,薫餅(くんぺん)と花ボール。花ボールは,金楚餻とは逆に,油脂を入れずに卵を入れて焼いているので,生地が硬い。小麦粉に水分(ここでは卵)を入れると,グルテンが出てしまうということが如実に分かる作り。

薫餅は,小麦粉に卵を入れて皮を作っているけれど,多少の油脂とBPを加えてあるので,花ボールとは違ってガチガチに固くはなってない。とはいえ,マフィンよりちょっと固め(→ということは,それだけ油脂が少ない)の皮で,中心部に,胡麻の餡が薄く入ってる。皮部分が相当厚くなっていて,やや中途半端な構成だな,という感じ。この路線で行くなら,いっそのこと,月餅なんかのように皮を薄く・餡を多くした方がいいんじゃないだろうか。

最後は,同じくマイナー新垣で,「うちで作ってるんじゃないけど,知り合いの卵屋さんが作っているおいしいサーターアンダギーなので置いてる」と言われたもの:

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合名会社安室養鶏場の,黒糖さーたーあんだぎーなり。安室とは,何て沖縄な名字... 割ってみると

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という感じで,確かに,卵の黄身のコクがなかなかよく出ている。「沖縄版ドーナツ」と言われるけれど,案外おいしい。素材(卵と黒糖)の味がよく出ている。そのまま食すともっちりしてるけれど,オーブントースターで1分ちょい温めると,さくさくした食感になって(←多分,揚げたてはこうなんだろう)それもよろし。