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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

presentations at the japl annual conference

今年度の個別報告で,聞いたのと聞かなかったのと,感想をば。

- 中島報告:名誉毀損不法行為

最初の辺りは,めちゃ緊張してたなー,というのがまずもっての感想。内容的には,よくまとまってはいるけれども,ちょっとこのまとめ方だとこぢんまりしすぎじゃないかという気がする。もうちょっと実質面が入った方がいい(ただし,やはりこのまとめ方だとそこは入らない)と思うんだけど,その辺は質問も来ていた。

- 久保報告:会計ルール設定

大澤さんの不当条項規制の方に行きたかったのだけど,いくら何でも同期のを聴きにいかないのも何だよねー,と出かける。結論部分で,民主的手続にのせましょー,という辺りが,ちょっと論理の飛躍があったような気が。民主制って,さまざまな政治的圧力の介在によっていくつかの部分ではうまくいかないケースもあるので,じっくり行くべき場合とか,理性的に行くべき場合とか,専門家の叡智を集めるべき場合とかは,民主的手続に載せない方が望ましい政策決定ができるシナリオもあり得て,ひょっとするとひょっとしてここもそういう場合なのかもしれないという気がしないでもない。

- F報告:アメリカ動産担保法PMSI

川村君とかnyさんとかとバッティングしてるわけだけど。確か,川村君のは助教論文報告会で聴いた気がするのでパス。nyさんは,かなり昔(5年くらい前?)に抜き刷りが送られてきたときに既に何かコメントした記憶があるのでパス。遠藤さんも,僕が「みんなで渡れば~」を書いた後で抜き刷りを送ってもらったことがあるけど,無情にパス。中田君も,既に言いたいことは言ってある。そうすると,一応,これが直近の僕の研究分野に近いことになるので。

いやすごかった。何がって,最後の質問者。あれをヒアリングして応答できたFさんはネ申。

- 伊藤報告:区分所有権

事前に,司会をすると言うM兄さんから,「欧州国際会社法に出て,質問者が出なかったら当てるから」と言われていたにもかからず,回避。まぁ,確かにこの話は昔民商に書いたけど,あんまり面白くなくてその後放置プレイしてる分野なので。

も一つ,経営判断原則を扱った宮本報告って手もあったんだけど,嫌な予感がして回避。このチョイスは正解だったらしい。人づてに聞いたところでは,森田=小塚論文(不法行為法の目的)を間違って援用してるわ,僕の2月の「幽霊の正体見たり」のポイントを考慮してないわ(さすがに商事法務を読まない商法研究者はいないだろう),とかトカレフ

そんな消去法で選んだ伊藤報告だけど,トラディショナルな比較法的研究としてはよく調べられてる点はいい。ただ,そこでキー概念として使っているのが,どれもトートロジーになっちゃってるので,説明概念としてはあまり機能してない。隣に座っていた8さんに無理矢理話しかけつつ(←はた迷惑)考えていたら,経済学的には同じことを5分で説明できそうだ,という結論に到達。ちゃちゃっと書いてNBLにでも投稿してみるかな...