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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

political power and democracy

来年度予算縮減の関係で科研費のうち,

○新学術領域研究(研究課題提案型)

○若手研究(S)

が公募停止。まぁ,僕たち文系研究者でこの辺を申請する人はまずいないと思うけれど,理系でこれを申し込もうと申請書類を書いてた人は多いだろうから,文句を言う人は多いだろうなぁ。

もちろん,科研費の中では,割と被害の少ないところを削ったということにはなるけれども,それと同時に,研究者の持つ政治力なんて大したことはないから,いくら反対されても文科省としては痛くもかゆくもない。

民主制の下では,政治力の強い社会集団の意見が通り,政治力の弱い社会集団の意見が通らないことになるんだけれど,それが常に適切だとは限らない。アカデミック分野なんてその典型で,そこにお金が来ることで直接役に立つ人はごくごくわずかだけれども,将来何十年後かには国全体に利益が回る。資源もほとんど無い小国が何とか生き残るためには,そういった知的資源を育てるために研究やエリート教育にがんばらなきゃいけないって考えるケースが多そうなんだけど(シンガポール・香港・韓国とか,あるいは中国とかUSとか),そういった判断を政治力の強い社会集団からの圧力にも負けずに貫くことが必要なケースってありそうな気がする。

まぁ,新学術領域研究と若手Sがそれに該当するのかどうかは難しいけども。

ちなみに,前に久保報告についてしたコメントも,こんな感じの趣旨です。