最近買った本:
- Roger E. KirkExperimental Design: Procedures for Behavioral Sciences
- Steven Piantadosi
で,この辺をチラ見しながら,相方と「くじ引きって,ランダムって言えるか?」について議論してみた。当然のごとく,結論としては,くじ引きってrandom assignmentじゃないよね,ということになるんだけど,問題は,そのことをどうやって説明するか。
まず,100人に対してふつーにrandomなassignment(1/2とする)をしたかったら,たとえば,Rでは次のように組む:
number <- 100x <- runif(number,min=0,max=1)
assignment <- rep(NA,number)
for (i in 1:number){
if (x[i] < 0.5) assignment[i] <- 1
else assignment[i] <- 2
}
これだったら完全にrandomだ(正確にはpseudo randomだけど,まぁ,細かいことは気にしない)。
で,くじ引きをするときにも,もし,一人が1回くじを引いた後に,それを元に戻してから次の人がくじを引くなら(いわゆるwith replacement),それは完全にrandomなのでOK。
これに対し,1人目がくじを引いた後,そのくじを元に戻さないで次の人が引いたら(いわゆるwithout replacement)? これは,当然にrandomでない。てか,2人目以降は,確率が変わってるしw 最後の一人なんて100%だ(=残り物には福がある?)
じゃ,1人目がくじを引いた後に,そのくじを元に戻さないで,100人みんなが,最後にいっせーの,で同時に自分のくじをオープンしたら? その場合は,みんなの確率が同じになるように見えそうだ。
いや,でもこれもrandomではない。
なぜって,実は,そのくじの引き方にconstraintがかかってる。100人に100個のくじを割り当てるときに,みんながばらばらにくじを引けるわけではない。「100個のくじ」っていうconstraintをかけているので,1人目が100このうちのi_1番目のくじを引いた瞬間に,それをオープンしようとしまいと,残りの99人はそのくじを引けない。このことを,先行者による選択の強制というか割当者による選択の強制というかはともかく,全ての人が同じように扱われていないという点では(=各回の試行がindependentになってない),くじを最初にオープンするか最後にオープンするかは,違いをもたらさない。
なんてことを考えながら,ふと思ったのは,社債の抽選償還とかあったけど,ああいうのをやってる人たちって,こういうrandomnessのことを分かった上でやってるんだろーか,ということ。それとも,そういうときにはrandomでなくってもいいって考えられてきたんだろーか?