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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

GPA

今日の日経に学生の就職活動の話が載ってたので,この前のゼミで「GPAって何?」と質問されたときに雑談的に話したことを思い出しました。

今の日本だと,学生の収縮活動時に,企業は在学中の成績を考慮しない。じゃあ,在学中は,とりあえず卒業できるように単位さえそろえれば,後はどーでもいい,ってことになるんだろうか?

超短期的に考えるのなら,それはそれで正しい戦略。けれども,そうしていると,ひょっとしてひょっとすると,5年か10年か後で大きく後悔するかもしれない。

例えば,企業に就職したり,弁護士になって働いたりして数年たつと,MBAとかLLMとかの海外留学のチャンスが回ってくることがある。そのapplyのために,アメリカの大学院に出す書類は何かっていうと,cv・志望理由書・GPA・reference letter・その他(SATとかLSATとか)あたり。で,例えばLLMを考えてみると,過去の経歴(cv)なんて同じに日本人の間だと似通ってくるし,志望理由書もたいていの人はマニュアルに依拠して書いてくるからたいした違いは出ない。そうすると,差がつくのは,誰がどういう推薦書を書いてくれたか(reference letter)と大学学部時代のGPAだよ,ということになる(自分の所属する弁護士事務所がそのロースクールにいくら寄付しているかが一番強く利いてる気がしないでもないけど)。だから,学部時代にひどい成績を取ってGPAが低くなってたりすると,このときに不利に扱われてしまうことがある。

だから,目先の就職には確かに関係しないかもしれないけれど,将来の自分の進路のオプションを広くしておくためには,ちゃんと学部のおべんきょもした方がいいよ,というのがアドバイスだったのでした。

※ちなみに,この辺のメカニズムを知っておくと,映画なんかで見るアメリカの大学生や高校生は,何であそこまで自分の成績評価にシビアなのか(e.g., 「何で自分はAじゃなくてB+なんだ,ゴルァァァァ!」),がよく分かる。日本風に言えば,高校受験の「内申書」かな。