hopping around

~ヘタレ研究者は今日も逝く~

fishing industry

D作しゃんのところでさかなさかなさかな~なエントリがあったし,宮城や東北のニュースでも漁業休業の話が毎日出てくるので,思うところをば。

この辺って,米とかの話もみんなそうだと思うんだけど,なぜかみんなサプライサイドばっかりに着目して,デマンドサイドに着目しない。価格と量は市場均衡で決まるのに。

とすると,供給者が生活が苦しいって悲鳴を上げるのは,実は,消費者の方がその商品をその価格で欲してないからだということになる。外国産の食品より国産がいいと分かっていても,そのための高い価格を消費者は支払う気がない。ここのメカニズムをどう捉えるかで政策対応は変わってくる。

もし,消費者は「誤解」をしていない(=「安全」「新鮮」ということを口では言う割に重視していない)とするなら,補助金という政策介入(=税金による国民全体での負担)は,国産品を買わない消費者(=買わないにもかかわらず,税金の形で負担)から買う消費者への利益移転になる。

逆に,消費者は誤解をしていて,「安全」などの価値をきちんと理解してないとするなら,補助金という形でパターナリスティックに国産品の価格を下げることがいいのかもしれない。

だから,補助金という政策介入をすべきか否かは,消費者はバカと考えるか消費者は賢いと考えるかによって決まってくることになる。

っていうことに頭が回らないのは,「国・補助金」っていうのが何か天から降ってくるもののように捉えられていて,でも実はそれって僕たち国民全体(=支払っている税金)のことなんだ,ということが理解されていないからなのかもしれない。