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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

acquisition cost

独立行政法人の資産に含み損がたくさん出ていると言われても。

まぁ,うち(東北大)の場合は,雨宮キャンパスをさくっと売却せずに,ずるずるとリーマンショック以後まで引きずって売れなくなってしまったという経営陣のミスがあるのは割とはっきりしているわけだけれども。

独立行政法人のB/Sの資産の部に計上するものって,おそらく取得原価主義で記帳されているはずであって,しかも,その取得時がいつかって言ったら,独立行政法人の設立時だろう,多分(←僕は行政法の人ではないので,独立行政法人通則法とかはチェックしてない。普通の企業会計の発想から言えば,設立時が基準だよね,っていう感覚)。

で,独立行政法人ができたのがいつか,っていったら,1990年代に入ってからであって,さらに,独立行政法人通則法が制定されたのが1999年なんだから,たいていの独立行政法人は,その設立時を基準に取得原価が設定されているんじゃないかと思われる。

そうすると,日本の地価は,1990年頃以降,ずっとバブル崩壊で減少傾向にあるのだから,その途中で設立された独立行政法人の資産は,何も独立行政法人の経営に無駄があるとかミスがあるとかということとは関係なく,当然のように価値が減っていくよね(強制減価のケースあり),というだけのお話し。

だとすれば,独立行政法人の資産が減っていることについて,「だから独立行政法人は無駄が多い」なんて言うのはおかしいわけで,資産が減っていることが気にくわないなら,日本の地価が下がっていることを批判するのが本筋のはず。

とはいえ,もちろん,そういった地価の低落傾向とは別の資産減少要因があるケースもある。見込み違いで価値のない資産を取得してしまったケースとか。でも,そういったケースと,地価の低落による資産価値減少とをいっしょくたにまとめてプレゼンするのはアンフェアだなぁ,と思うわけです。