hopping around

~ヘタレ研究者は今日も逝く~

hindsight bias

よくある話だけど,

FXで○億円儲けました

っていう本が売られてることがある。

でも,普通に考えればFXで継続的に大もうけすることっていうのはほぼ不可能であって,その人がたまたま過去に○億円儲けられたからといって,これからも同じペースで儲けられるっていう保証は全くない。皮肉な見方をすれば,だからこそ,その著者は,本を書いて印税で稼ぐ,というビジネスモデルに変えたのかもしれない。

ただ,FXで継続的に大もうけするテクニックが存在しないということは,継続的に大もうけする人がでないっていうことを意味するわけではない。たとえば1000人にFXをやらせれば,その中にたまたまついていて連戦連勝になる人が一人二人出てくることは,確率的に十分あり得る。もちろん,他の人は,プラスマイナスとんとん程度だったり,大損したりしてる人が大部分なんだけど,そういった人たちは「声を上げない」。

なので,そういったたまたま運の特別良かった人を取り上げて「私が成功したFXテクニック」という本を書かせると,何かにすがりたがってる潜在的読者(=カモ)をたくさん釣り上げられて(゚д゚)ウマーというビジネスモデルになる。

こういったからくりは結構よく知られているんじゃないかと思っていたんだけれど,最近は,ギャンブル系以外でもこのタイプの言動が幅を利かせ始めてるような感じが。ポイントは,当時の(=事前の)情報環境下で,そのような意思決定をしたことが妥当だったかどうかを,リスクコントロールの観点から冷静に判断することだと思うんだけどなぁ(もちろんその結果として,「妥当でない意思決定だった」という評価は十分あり得る)。