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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

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支払決済法改訂作業(来年4月を目指してがんがる...)で出てきたお話で,squareとかcoinetyとかに関するお話。

最近のクレジットカードには,決済代行業者というのが出てきて,いろいろと問題を起こしている

要は,日本の普通のアクワイアラは,加盟店を審査してフィルタリング(・モニタリング)をしているのに対し,そういうことをしない決済代行業者が,包括加盟店契約の形式を利用して,いろいろと悪さをしている,というお話。

消費者庁は,その辺の対策を考えて,決済代行業者登録サイトというものを作っている(まぁ,これは自発的な登録サイトなので,悪質な決済代行業者がここに登録するインセンティヴはほとんどない。アンラベリング効果(登録されていないのは悪質と推定)は一応期待できるけれども)。

で,squareとかcoineyとかは,どういう法形式をとっているんだろうか,と調べてみた。

まず,coineyは,明示的に決済代行業者システム(包括加盟店)を採用している(規約はこちら。ただし,決済代行業者登録制度への登録はしてない)。これに対し,squareの方は,どうもはっきりしていない。アクワイアラなのか,それとも,決済代行業者なのか,はっきり書かれてない。

もっとも,前述の消費者庁が指摘するような問題点が起きるかどうかは,アクワイアラなのかそれとも決済代行業者なのか,ということによって左右されるものではなくて,当該業者が,加盟店審査にどのような態度で臨むかにかかっている。怪しいエステ業者とかサクラサイト業者とかをどんどん加盟店として受け入れるようだと,トラブルメーカーになるわけだ。

で,審査方針を見てみると,coineyは,審査基準が書かれてない(coiney所定の審査をする,というだけだ。5条)。他方,squareの方は,審査基準がいろいろと書かれている(第1部6)。

じゃあ,coineyの方が甘いか,っていうと,その辺は必ずしもはっきりしない。squareの基準の最後の「 (v) その他カード利用者との紛議もしくは不正利用の実態等に鑑みまたはSquare、提携組織および提携カード会社のブランドイメージ保持の観点から、Squareが不適当と判断したもの」の解釈次第だ。squareのそのほかの基準は,海外のアクワイアラによくある審査基準をそのまま翻訳したものっぽい雰囲気を漂わせているので,この(v)が,どこまで日本の通常のアクワイアラと同じような基準を採用するかどうか,にかかっている。

coineyの方は,確か,日本のアクワイアラと組んでいたような記事を見かけた記憶があるので,おそらく,そのアクワイアラによるモニタリングが入ってフリーダムな加盟店審査はできないような仕組みになっている可能性が高いけれど,squareの方は,日本のアクワイアラと組んでいるのか,それとも,本国のアクワイアラと組んでいるのか,はっきりしない。もし,本国のアクワイアラと組んでいることになると,加盟店審査が日本のアクワイアラの慣習よりもかなり緩いものになっている可能性もある。

というわけで,coineyやsquareでどれだけ消費者問題が発生するかは,この辺の審査基準の運用の仕方次第,ってことになる。それは,もうちょっと今後の展開を見ないと分からない。