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~ヘタレ研究者は今日も逝く~

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今年の学会シーズンも(私法系については)無事終わった模様です(←「無事」のところに激しく突っ込みが入りそうだけれど後述)。超主観的れびゅーをば。

前日(6日):7日の海法学会に朝から出るために2時過ぎのフライトで大阪へ。2年ぶりの仙台空港だけど,改札が完全チケットレスOKになっていてびっくり。いつの間にか進歩しとるのー。夜はケーキと広島風お好み焼き。

7日:日本海法学会@近畿大学

まぁ,あれです。同じ日程で金融法学会が神戸大であったわけですが,人気のありそうな金融法学会に比べ,老人が多くて若手に人気のなさそうな海法を応援しようということで,こちらへ。何年か前の私法学会で,近畿大は来たことあるような。

1コマ目は,こづやんがIMO/ILOあたりのマニアックなガイドラインについて報告。そのマニアックさのためか,あんまり質問がなかったので,どう考えても桜質問者っぽい山下先生に続いて,フォーラムの戦略的組み立て方について質問してみる。このあたりまでは,まともな行動をしていた(と事後的に評価)。

2コマ目は,帝塚山の飯田先生がL/CのUCP500改正について報告。こちらはうってかわって,金融法からでも人が来てもいいようなメジャーなテーマ。ところが,終了間際にぶっ飛び質問をしてしまう。彼は,東京銀行出身の実務家系研究者だから,こんな質問に回答できるはずなかろう,と予想しつつ,UCPをソフトローの一つとしてみた場合のその進化メカニズムの理論的説明の可能性について質問してみる(笑)。もう完全な確信犯ですね。実務家に投げる質問ぢゃないよ。ところが,意外なことに,結構きちんと回答が出てきた。もっとも,本人は自分が何について回答したか分かっていなかったみたいだったけど,まあそこはお茶目でよろしいということで(笑)。

お昼の後の3コマ目は,落合先生の水先法。こんな法律,今ここで聞いておかなかったら一生知ることはあるまいと思われる超マイナー法律なので,ちゃんと聞いておこうと思ったけれど,やはり昼食後は鬼門。あえなく撃沈して眠りの世界へ....

最後の4コマ目は,研究者+実務家で国際海上物品運送法の要件事実の整理のワークショップ。どう考えても,僕の一番不得手かつやる気のない分野なので,淡々と傍聴。やっぱり,こづやんと藤田先生の整理が光っていたな。ただ,最後の方で,コジマ先生(漢字不明)がBLの設権証券性の話を,それに応じて野村先生が有因証券性の話を始めたので,「今更,設権証券性だの有因証券性だの,無意味なドグマを振り回してどないするんや,じじーども!」と突っ込みたくなったけれど,半生をかけて手形理論を勉強してきた(らしき)コジマ先生の人生を面と向かって否定してさしあげるのはあまりにかわいそうなので,発言を思いとどまる。今になって思い返せば,この人,昔海法学会で「造船とファイナンス」を報告したときも,僕と喧嘩したような記憶がある。違う人だったか?

この後の懇親会は欠席して,UofC時代のオランダ人の友だちC君が今京大に留学中ということなので,1月ぶりに梅田で再会して飲み。

8日:私法学会1日目(大阪市立大)

1コマ目には商法系が入っていないので,会場についても商法系が見えない。やっとカチャが来たので(←加藤君が1コマ目報告だと誤解していたらしい),「射倖契約行こうぜ」と誘っていたら,近くを取りかかったモリヒロ先生が,「司会の沖野さんが寂しそうにしていたから行ってあげなよ」と声をかけてきたので,カチャを引きずって個別報告部屋突入。

報告終了後の質問タイムで波乱は起こる。弘人先生→KOの池田先生と来て,僕が質問。まぁ,モリヒロ先生の言葉もあったし,質問でもして盛り上げようと思ったわけですが。とりあえず,池田先生が「本日の報告は日本法の不幸を指摘してくれた」と指摘していたので,受けを狙って(←とーぜん),「池田先生はさっき~とおっしゃいましたが,僕は,今日の報告はフランス法の不幸の歴史を示してくれたものだと思います」で始めてあれこれ言ったわけですが,どうやら池田先生は,「この若造が馬鹿にしおって,ゴルァァァァァ!」とぶち切れたらしく,僕と報告者の応答が終わった後に「森田の発言は間違っている」と再発言。報告者そっちのけで,フロア同士でバトル勃発です。たのしー(笑)。まぁ,その前の僕の質問内容自体も,「今日の報告者の報告は無意味です」という内容のきついものだったので(←後で後藤君から「もりたさんの質問聞いていてハラハラしました」とコメント),会場の雰囲気が好戦的になったのかも。まぁ,そんな「荒れた報告」を,その後に上手に収拾をつけた司会の沖野先生が一人光っていて,終わった後で誰もが「沖野先生すげー」と褒め称えていました。一応,僕も翌日,沖野先生捕まえて,「昨日は荒らしてごめんなさい」と(反省の色なく)謝っておきました。

まぁ,今年の個別報告の中では,一番笑いを巻き起こした会場になったと思うので,みんなにエンターテインメントを提供したからよしとしよう。これぞ真の「エンターテインメント・ローヤー」。

2コマ目は加藤君。邪道先生は,富山大時代の同僚の先生の報告が行われていた船舶金融の方へ行ったらしく,僕や松井秀さんのときのような嵐にはならずに無事終了。この時間はカメラマンに徹する。

お昼休憩で外に出たら,市立大の近くにはお昼を食べるところがない! 仕方なく天王寺まで戻ってお昼を食べたので,3コマ目はぶっち。

4コマ目は,同僚の米村さんなので,ここも最前列でカメラマン。ちなみに,この日,僕はUofCのノーベル賞受賞者リストTシャツを着ていたのだけれど,このときにそれを上回るラフな格好の人が出現。角先生が,「アメリカ人~♪」とか言いながら,ジーンズ・スニーカー・アンサンブルで登場。負けた.... 来年はもっと頑張るぞ!(何を) 米村さんの報告自体は,ちょっと報告時間が長すぎた以外は,何事もなく終了。

最後の5コマ目は,そのまま「監護責任の再構成」へ。てっきり,使用者責任とかも含むのかと思ったら,子の不法行為に関する親の監護責任だった。誇大広告だよなー,と思いつつ,質問をしようとして,「親の一般的注意義務のレベルは,その国の家族観に応じて決まるハズだから,今日の報告のようにドイツにおける家族観について調べずして,法ルールを表面的に日独比較しても全く無意味」とメモを作って隣の加藤君に回したら,「もりたさん,この質問だけはしないでください。確かにその通りなんですが,あまりにクリティカルすぎます」と質問差止請求が。確かに,ど真ん中ストレート,報告者轟沈一直線コースの質問ですが(笑)。やってみたかったけど,気付いたら,報告者の指導教官らしき瀬川先生が真後ろにいるぢゃないか! これでも一応瀬川ファンなので,瀬川先生との関係をまずくするのはヤバイかも,と考えて,自重。でもやっぱしといたほうが良かったかな... Chciago的には,撃沈質問は当たり前だし,「お前は馬鹿だ」「お前の研究は無意味だ」とか100回言われてもへこたれない強靱な精神が必要なわけなんだけど,日本は違うのだろうか?

終わった後は恒例の東西飲み会。スイーツがなかったのが物足りなかったが,まあいいでしょう。

9日:私法学会2日目

例によって例のごとく,僕は,シンポジウムは商法部会に出ずに,民法の契約責任へ。帰国して最初の学会で会社法を蹴るところが我ながら何とも素敵。岩原先生が民商パブコメ論文を引用してくれたのにねぇ。まぁ,法務省の人たちが来るなら見てみたい,という気もあって,お昼休みにのぞきに行ったのですが,やはり葉玉さんはもう特捜で来ない,ヒマな司法修習生なはずの郡谷さんも来ない,相澤さんも来ない,ということらしいので,出るインセンティヴなし。

でまぁ,民法シンポの方に質問出しておきました。今年の民法シンポは,どう見ても,潮見vs森田修で,モリヒロ先生もどうせ質問出すから,森田が三人揃ったら面白かろう(←どこが!)と考えたのと,商法の人が一人くらい突っ込み入れてもいいよね,と考えたのとで,出しました。まぁ,東北の民法研究会で「他流試合」には慣れているので,民法に行ってもそんなに物怖じしません。某人は,「もりた=傍若無人」と評してましたが。まぁ,アメリカ帰りなんてそんなものです(←人のせいにしておく)。

質問の内容は,一言でまとめると,「契約」って言うときに,民法で完結するんぢゃなくて,商法のことも考えてちょうだいね,というだけのことです。多分,商法の人間なら素直な発想だと思うんだけど,民法の人にはなかなか思いつきにくいんぢゃないかと考えて,紙に証拠を残しておくことにしました。他にも,「こういう「理論」を構築しても,ロースクールの要件事実教育とどう接合するの?」という疑問があったんだけど,それに近いことは,☆野先生がコメントしていたな。

ところで,その☆野先生のコメントが終わったところで,仙台行きのフライトの時間が迫ったので,退室したのですが,その直後に僕の質問が読み上げられたとのこと。ふん,いいです。どうせ私法でどういう応答があったかは読みますよ....