hopping around

~ヘタレ研究者は今日も逝く~

anonymity

久々の『支払決済法』解題シリーズ・その6。

今回も,表現の変更について(回が進むにつれて,ネタが切れてきて,内容がしょぼくなってくるのは致し方なし。燃料を投下してくれる人がいたら大歓迎!)。

第1章第1節1(6)で,支払手段の特徴の一つで,匿名性について言及した部分(6ページ)。この部分,β版から表現が変わってる。

現在のバージョンでは,

このため,……浮気のための食事代を支払う場合などは,現金で行った方が安全である。

って記述になってる。β版では違ってた。

β版では,同じく6ページだけど,こうなっていた:

このため,……不倫の際に公共交通機関運賃やラブホテル代を支払う場合などは,現金で行った方が安全である。

うはw

β版から完成版に加筆修正していこうとする段階で,京女編集者さんから,この部分にクエスチョンマークが付けられていたorz

僕がβ版でこういう風に書いていたのには,それなりの理由(?)がある。

知人にJR東日本で働いている人がいて,彼によると,JR東の社員は,Suicaを支給される。彼曰く,普段の通勤時なんかはそのSuicaをもちろん使うのだけれども,休日に彼女とデートするときにはそのSuicaは使わずに,現金で切符を買う,と。

何で?と尋ねたら,

だって,Suicaは使用履歴が全部残る。休日に何してたかなんてプライベートなことまで,会社に知られるのはイヤだ

とのご返事。確かに,My Suicaなんかは,使用履歴がわかる。

で,このやりとりが頭にあったので,話をおもしろくするために,「不倫」「ラブホ」と追加したわけです。

ところが,この部分に,↑のようにクレームがついて――どうやら,「純真」な(可能性がある)学部生にそんな昼メロみたいな設定は刺激が強いらしい――,どう変えようか,ということが問題になった。

小塚さんと僕とで,どっちがどう提案したのかは忘れたけれど,確か,僕が「不倫」を「浮気」に直して,小塚さんが「公共交通機関運賃やラブホテル代」を「食事代」に直したような気が。京女編集者さんが,

二人の著者で,どの部分を気にかけて修正するか,性格の違いが見えておもしろかったです

と評していたけれど,最終的にはこの両者をミックスして現在の形におちついたのでした。

おしまい――うーん,あんまり落ちてないorz